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2020.01.02

中小企業が知っておきたいマーケティングとは

中小企業が知っておきたいマーケティングとは

「経営学」にも様々な分野があります。マーケティングもその一つです。

そして、このマーケティングが企業の重要な活動分野であることは、ビジネスに関わる誰もが知っていることだと思います。

今回「経営学」を切口にして、マーケティングについて説明したいと思います。

よく、経営者の方で「経営学は使えない」と言われる方がいますが、何故「経営学は使えない」と言われるのか?その理由に迫ります。

マーケティングとは

あなたが、ビジネスに関わっているならば「マーケティング」という単語は、日常でよく使われているかと思います。

では、この「マーケティング」はどのような意味で使われているでしょうか?

ここで、意味=定義とするならば、日本マーケティング協会では「マーケティング」を以下のように定義しています。

マーケティングとは、企業および他の組織がグローバルな視野に立ち、顧客との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動である

この定義では、冒頭で「マーケティング」という単語こそありますが、この「マーケティング」の単語を除いて、もう一度読み上げてみて下さい。

いかがですか?これはまさしく、企業の経営活動のそれ自体を示していませんか。

私が、経営学修士(MBA)課程で学んだ際も、マーケティングを専門とする先生から、以下のように説明されました。

「マーケティングとは、商品を作るためバックヤード(製造)から、フロントエンド(販売)のお客に商品を届けるところまでの一連の活動のことをいう」

あなたは、このマーケティングの説明や、日本マーケティング協会の定義を読んで「いや、自分が知りたいマーケティングとは、ちょっと違う!」と感じたのではないでしょうか?

つまり、中小企業の経営者の方が、日常的に使う実務での「マーケティング」とは、もっと違う意味で使われているのではないでしょうか。

では、何故そのような違和感が生じるのでしょうか?

何故「経営学は使えない」と言われるのか?

経営学にも様々な分野がありますが、マーケティング分野で考えた場合、現時点で私が考える一つの理由は「大企業と中小企業のマーケティングは異なるから」です。

経営学を研究するのは大学

経営学は、経営活動という具体的な事象を研究対象することで、その事象を説明する要因や理論を導き出す学問を指します。

そして、その経営学の研究者の方々は、世の中に影響を与える研究を行い、自身の研究成果を世間に認めてもらう必要があります。

そのためには、誰もが知る企業を研究対象することが最短となります。

すなわち「何故、あの有名な企業が成功したのか?」といった研究成果を論文や書籍として発表するこで、研究者である自分の名前が、世間一般に広く知れ渡るようになります。

このため「研究者は、研究対象として大企業を選ぶ傾向にあるのではないか。そして、経営学という学問で導き出される理論は大企業の事情に偏りがちなのではないか」というのが私の仮説です。

そして、それが日本企業の99%占める中小企業の方から見た時に「経営学は使えない」という言葉に繋がるのではないか。と私は考えています。

経営の実学を探求するのは大手コンサルティング会社

また、経営学を語る上で忘れてはならないのは、コンサルティング会社の存在です。

つまり、大学などでは経営学という学問として体系的に研究し、教育機関として研究者の後進を育成されます。

一方、より実務・実践に使える理論を導き出す機関として、コンサルティング会社の存在があります。

しかし、経営学に影響を及ぼすような理論を導き出すこのコンサルティング会社も、マッキンゼー・アンド・カンパニー、ボストン・コンサルティング・グループ、など超大手に限られてきました。

そして、これら超大手のコンサルティング会社がコンサルティングに入る企業とは、やはり、超大手企業になるわけです。

すなわち、経営学を学問として発展させる基盤、言い換えれば、解明される事象は、おのずと大企業に偏ってしまうのです。

繰り返しとなりますが、まさにここに、中小企業の経営者が感じる違和感の原因となっていると、私は考えています。

中小企業が知りたい経営は、経営学の対象外!?

「中小企業の経営者が知りたいマーケティング」と「学問としてのマーケティング」は、そもそもの対象が異なっている。

このように考えると、経営学は大企業を研究された学問であるため、中小企業にはすぐに当てはまるはずがありません。

経営資源の基盤が全く異なる大企業と中小企業とでは、経営の手法も大きく変わっているのは、当然のことではないでしょうか。

もちろん、経営学が全く使えないというわけではありません。

しかし、少なくとも、マーケティングについて言えば、世間一般に名前が知られている大企業と、基本的に名前も知られていない中小企業とでは、商品・サービスをお客さまに届ける具体的な方法が、異なるのは当然の結果であると言えます。

ダイレクト・レスポンス・マーケティング

中小企業のマーケティング手法で、一番重要となる考えが、ダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM, Direct Response Marketing)です。

このダイレクト・レスポンス・マーケティングは、広告に反応したお客さまに対して、直接的に商品・サービスを販売するマーケティング手法で、DRMと略されます。

このDRMの代表例として、通販番組が挙げられます。通販番組では、商品を説明した後、必ずお問合せや注文の行動を促していることがお分かりいただけると思います。

一方、大企業の主なマーケティング手法は、マス・マーケティングであり、一般大衆(マス)に向けた宣伝広告により、企業イメージや商品イメージを伝えることを目的としています。

このマス・マーケティングの例は、テレビCMです。大企業のテレビCMでは、行動を促すことはなく、商品イメージを伝える場面が多いことに気付いてもらえるかと思います。

まとめ

今回、マーケティングについて「経営学」という切口で考えてみました。

結論として、中小企業の経営者が知りたいマーケティングが、一般的な経営学や著名な経営学者の先生が書いたビジネス書には載っていない理由は、研究・調査対象が異なるからだとお伝えしました。

そして、中小企業のためのマーケティングには、ダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)の考え方が必要であることをお伝えしました。

このDRMの基本的な考え方については「中小企業のためのフレームワークーABCプロセス-」で説明しています。もし、よろしければ合わせてお読みください。

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