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2020.01.11

抑えておくべき中小企業の売上アップの考え方

抑えておくべき中小企業の売上アップの考え方

さて、過去にマーケティングの専門家と言われた方はたくさんいますが、有名な方として、セルジオ・ジーマンやフィリップ・コトラーがいます。近年では、ジェイ・エイブラハムが挙げられます。

あなたは、ジェイ・エイブラハムは、ご存知でしょうか。

ジェイ・エイブラハムは、アメリカのマーケティング・コンサルタントであり、超大手ファストフード店の有名なフレーズも彼の提案だと言われています。

それが、「一緒にポテトはいかがですか?」です。

あなたも、一度は耳にしたことがあるフレーズではないでしょうか。

売上の3つの要素

このフレーズをマクドナルドにコンサルティング提案したジェイ・エイブラハムは、売上を3つの要素として分解しました。それが、以下です。

売上=顧客数 × 購買単価 × 購入頻度

つまり「売上を上げる」と一言で表すだけでは、何から手を付ければ良いか悩む状態に陥り、途方もなく遠い目標に感じてしまい身動き取れなくなる可能性があります。更に、順序立てた思考ができないため、対策に抜け漏れが生じたりしてしまいがちです。

そこで、上記のように要素に分解することで、取組むべき打ち手を明確にすることができます。

また、「売上を今より2倍にしたい」と思った時、いきなり売上を2倍にすることは非常に高いハードルだと感じてしまいませんか。

人はイメージしたことしか実現できません。少しでも「無理!」と思い込んでしまうと、行動することができなくなります。

しかし、1.25×1.25×1.25=1.953であると考えれば、以下のように分解することで、少しはハードルが低く感じられるはずです。

  • 顧客数を 1.25倍にする打ち手
  • 購買単価を1.25倍にする打ち手
  • 購入頻度を1.25倍にする打ち手

売上アップの正しい手順

このように、ある事象を要素に分解することは極めて有効な考え方になります。そして、忘れてはならないのは、この各要素に対して取組むべき順番があります。

1番目に取り組むべき要素は何かお判りでしょうか?少し考えてみてください。



ここで、大半の方が回答されるのが「顧客数」です。

つまり、多くの方が、売上アップさせるために「顧客数」アップを一番に取り組もうとされます。しかし、一番に取り組むべき要素は、「購買単価」になります。

そして、2番目に取り組むべき要素は何かお判りでしょうか?また少し考えてみてください。



ここでも「顧客数」・・・ではありません。

2番目に取り組むべき要素は「購入頻度」です。

そして最後に取り組むべき要素が「顧客数」です。

つまり、売上アップを考えた時に取り組む順番は、以下となります。

「購買単価」→「購入頻度」→「顧客数」

売上アップの正しい手順の理由

では、何故、この順番に取り組むべきなのか。順に説明していきます。数字を使った具体的な説明は、別途説明させて頂きますので、ここでは、概念的な説明とさせて頂きます。

まず、「購入単価」アップについてです。

ここでの「購入単価」とは、一回来店した際の購入金額を増やす。ということです。ここには、一商品あたり価格(単価)を上げる高価格化も含め、購入してもらう商品の数を増やしてもらうことや、関連する商品を同時に買ってもらうことも含みます。

今回は、単価を上げる高価格化を例に説明します。

大前提として、低価格で利益を残すためには、大量生産することで製造原価を抑え、そして大量販売する必要があります。いわゆる薄利多売です。

しかし、この低価格化が可能な企業は限られています。即ち、低価格化が可能な企業は大企業のみです。中小企業が、利益を残しながら、低価格化することは極めて困難です。自ずと、中小企業は高価格化の選択肢を取らざるを得ません。

適正価格という考えもありますが 二者択一の場合では、高価格化という意味です。

つまり、中小企業の前提として「利益を残すためには高価格化は避けては通れない」のです。

次に、「購入頻度」についてです。

ひと昔前では「1:5の法則」と言われ、「既存客が再来店・再購買してもらうコスト」と比較して、「新規顧客を獲得して来店・購入してもらうためのコスト」は約5倍と言われていました。

この新規の「顧客数」を獲得するための(広告)費用は年々増加傾向にあり、今では10倍以上とも言われています。

つまり、既存客と比較して新規顧客を獲得するのには、大きなコストがかかっているのです。

このため、更に「5:25の法則」と言われる法則もあり、5%の顧客離れを改善すれば、利益は25%以上増加する。とされています。

以上から、新規顧客を獲得するよりも、既存顧客の「購入頻度」を上げることが重要であることがわかります。

したがって、事業を行う上では、

  1. まずは、顧客単価アップにより、利益を生む仕組みを作る。
  2. そして、購入頻度アップにより、より高く利益が残る仕組みを作る。
  3. 最後に、新規顧客を獲得して、利益を拡大させる仕組みを作る。

 

この手順を間違え、「顧客数」アップを真っ先にやると、忙しさが増すだけで、会社には思ったより利益が残らないことになります。

逆説的に言うと、もしあなたが「忙しいわりに利益が残っていない」と感じるのであれば、それは売上アップの手順を間違えている可能性があります。

生涯顧客価値という大切な指標

マーケティングでは、Life Time Value(LTV)最大化という考え方があります。このLTVは生涯顧客価値と呼ばれ、獲得した顧客によって会社にもたらされる価値のことを指します。

単純化すると、ある特定の顧客が自社とお付き合いしてくれる間に会社に支払ってくれる総額を言います。

つまり、LTV最大化とは、一人の顧客にリピートしてもらい、何度も自社商品を買ってもらいましょう。ということになります。

あなたの会社では、このLTVを最大化する対策を講じているでしょうか?既存のお客さま一人が皆さんの会社に支払ってくれる総額はいくらでしょうか?

一度、新規顧客を獲得する活動に注力する前に、この確認作業に当ててみてください。今、すべきことが違って見えてくるかもしれません。

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