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2020.07.28

結果を出す核は存在承認

結果を出す核は存在承認

会社経営をしていると、ビジネスで結果を出す必要があります。そして、その得たい結果を目的とするならば、会社では、この目的を達成するために目標を掲げると思います。

しかし、目標を掲げるだけでは、目的を達成することができません。このことは容易に想像することが出来るかと思います。

今回は、ビジネスで最終的な結果を得るための考え方について説明します。目的を最終的な次元とするならば、その次元に至るまでに考慮すべき次元とその構成要素について整理します。

そして最後は、目的を達成する上で、最も重要なことは何なのか?それに迫ります。

ビジネスで結果を出すまでの次元を整理する

最終的には、結果

冒頭にも述べましたが、ビジネスでは、結果(利益)が重要です。結果に至る過程(プロセス)も大切ですが、存続するという観点では、結果(利益)が最も重要な指標です。

結果に対する目標

会社として結果を出すために、組織や社員に目標を課すことは一般的です。この目標には2種類あります。一つ目は、最終的な目的である結果に対する結果目標です。

そして、もう一つの目標が、行動目標です。

行動目標とは、結果目標を達成するために必要な行動内容を示したものです。つまり、得たい結果を得るために必要な行動に落とし込むことで、行動目標を達成することができれば、結果目標も達成できるというわけです。

しかしながら、実際には、社会情勢などの外部環境の変化や、行動への落とし込みが不十分等の理由により、行動目標を達成しても、結果目標が達成できないことは多々あります。

そのため、会社では、職責に応じて、結果目標と行動目標の占める割合が異なってきます。これが、次の評価に関係してきます。

目標に対する評価

会社では、人事制度による社員の評価を行います。評価には、結果目標に対する結果評価と、行動目標に対する行動評価があります。いずれも、目標に対する達成度で評価されます。

しかし、結果目標や行動目標は、様々な理由により、予め定めた目標を達成できないことは多くみられます。このため、評価には、これら結果評価と行動評価以外にも、意欲評価というものがあります。

この意欲評価は情意評価とも称され、仕事に対して前向きに取り組んだかの姿勢を評価するものです。

職責が上がるに従い、結果責任が問われ、結果評価の割合が大きくなります。一方、新卒社員など、若手層は、結果評価の割合は小さくなり、行動評価や意欲評価の割合が大きくなります。

ちなみに、この評価は、会社側の視点では、会社への貢献度を測るためであり、社員側の視点では、成長を促すためです(詳細は「評価制度の大切な目的」をご一読下さい)。

評価に対する承認

評価とは、評価対象の良し悪しを判断することです。一方、承認とは、「認める」ことであり、評価対象の良し悪しを判断せずに、あるがままを受け入れることです。

評価に対する承認には、結果評価に対する結果承認、行動評価に対する行動承認、意識評価に対する意識承認があります。つまり、評価する前段階として、結果そのものや行動そのもの、そして意識そのものを「認める」ことになります。

そして、もう一つ最も大切な承認があります。それが「存在承認」です。存在承認とは、その人自身の存在を認め、あるがままに受け入れる、ということです。

目に見えないものこそが大切

ビジネス基準とヒト基準の2つの観点から

ビジネス基準

ビジネスの目的は、結果を得ることです。つまり、ビジネスでは結果目的が大前提です。これは上述で説明したように、会社が存続するためには結果が必須だからです。

この目的に対する目標として、当然のことながら結果目的に対する結果目標があります。そして、結果目的を達成するために、行動という新たな指標が加わり、行動目標というものが登場します。

次に、目標の達成度を測る評価として、結果評価や行動評価が存在します。加えて、これら目標を達成するための指標として、意欲という新たな指標が加わり、意欲評価というものが登場します。

さらに、評価の前提となる承認として、結果承認や行動承認、そして意欲承認が存在します。そして、結果評価、行動評価、意欲評価を行う前提には、存在という新たな指標が加わり、存在承認が存在します。

ビジネスの観点であるビジネス基準からは、目的から目標、評価、さらに承認に次元が変わるに従い、指標が一つずつ加えられているように見られます。

ヒト基準

一方で、人の基本的な欲求として、承認欲求が挙げられます。これは「他者から認められたい、自分を価値ある存在として認められたい」という欲求です。この、他者に欲求している承認として、結果承認、行動承認、意欲承認、存在承認が挙げられます。

つまり、人の基本的な欲求の観点であるヒト基準からは、承認、評価、目標、さらに目的に次元が変わるに従い、指標が一つずつ簡略化されているように見ることができます。

ビジネスもヒトが基本

「企業は人なり」と言われるように、最終的に結果が目的のビジネスでも、その起点は人であることは容易に理解できると思います。

つまり、先ほどの目的、目標、評価、承認の次元の関係は、人の基本的欲求の観点であるヒト基準から理解していく必要があります。

この関係を概念図で示したものが、以下となります。

すなわち、次元は円錐状に形成されており、表面的には「結果」しか見えませんが、次元を切口とした断面とすることで、新たな要素が見えてくる。というわけです。

一番の核となる「存在承認」は、最下層の「承認」レベルの切口とした断面でしか、表に出てこないため、焦点が当たりにくいというわけです。

全ての始まりは「存在承認」から

しかし、逆の視点で考えると、全ての始まりは一番の核となる「存在承認」からである。ということです。

例えば、人は赤ちゃんとして生まれてきた時、「生まれてきてくれて、ありがとう」という言葉を掛けられ、初めてその存在が承認されます。この一言から、ヒトが形成されていくのです。

人と組織を強くする「自信」

この一番の核となる存在承認に加えて、意欲承認、行動承認、結果承認は、人を強くするための「自信」を醸成するために極めて重要な要素です。

「自己肯定感」と「自己効力感」で「自信」が育つ

「自信」とは、自分の価値・能力を信ずること。自己を信じる心、信頼する心です。

この自分の価値を信じることを「自己肯定感」と言います。そして、自分の能力を信じることを「自己効力感」と言います。すなわち、「自信」とは、自己肯定感と自己効力感から構成されています。

「自信」と「承認」の関係

そして、まさしく、この自己肯定感は「存在承認」であり、自己効力感は、「意欲承認」「行動承認」「結果承認」に相当します。つまり、自信を高めるためには、自己効力感と自己肯定感の構成要素である「承認」が重要となってくるのです。それは人も組織も同様にです。

以下に、自分の自信を高める言葉、人の自信を高める言葉の例を挙げました。是非、自分にも組織のメンバーにもこれらの言葉をかけて頂き、自信を高めて頂ければと思います。

なお、こちらに「組織を強くする「自信」」について記載していますので、合わせてお読み頂ければ幸いです。

まとめ

今回、目的・目標・評価・承認という次元と、結果・行動・意欲・存在という要素の2軸で、ビジネスの最終目的である結果について説明しました。結論として、結果目的を果たすためには、「存在承認」から始める必要があるということです。

人としての存在承認の始まりは、「生まれてきてくれて、ありがとう」という言葉です。では、会社での存在承認の始まりは、どのような言葉でしょうか?

それは、「入社してくれて、ありがとう」という言葉です。

世の中に数ある会社の中で、あなたの会社を選んで入社してくれたこと。まずは、このことに感謝を述べることです。

社員の中には、なかなか期待通りの結果を残せない方もいるかもしれません。会社では、結果を求めるがあまり、目に見える目的や目標に対して焦点が当たる傾向にあります。

しかし、本当に目的を達成したいならば、一見すると目には見えにくい、次元の異なる評価や承認に目を向ける必要があります。そして、何より一番に「存在承認」を大切にしなければいけません。

「自分の存在をきちんと認めてもらえている」この安心感が、社員の枯れない行動力の源になるのではないでしょうか。

時間が経つと、会社で働いてくれていることが、当たり前と勘違いしてしまいがちですが、是非、入社してくれた時の喜びを言葉に出して、社員の方に伝えて下さい。

もし、その言葉により、社員の方が仕事への取組み方が変わったならば、是非、ご報告を下さい。あなたの嬉しいお声をお待ちしています!

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