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2020.05.11

ビジネスステージの正しい登り方

ビジネスステージの正しい登り方

経営者のあなたは「やらなきゃいけない仕事に追われて、毎日が忙しい」と感じていませんか?しかし、それらは本当にやらなければいけない仕事ばかりでしょうか?

今回のビジネス・ビルディング・フォーミュラーとは、ビジネスにはステージがあり、今のステージから次のステージに登るために「やめるべきこと・やるべきこと」を示してくれる考え方です。

まずは、自分がどのステージにあるかを確認し、そのステージに応じた「やめるべきこと・やるべきこと」を知って下さい。そして次に、やめるべきことをやめ、やるべきことを行動に移して下さい、そうすれば、より得たい結果が得られるはずです。

ビジネス・ビルディング・フォーミュラーとは

「結果を出したい!」と思うと、やるべきことが多くなると考えがちです。

しかし、80:20の法則と言われるパレートの法則では「結果の8割は、2割の行動で決まっている。行動の8割は、結果の2割にしか影響しない」と言わます。

つまり、やるべきことに焦点を合わせることで、より少ない行動量で得たい結果が得られることになります。

そして、やるべきことは、ビジネスのステージによって異なります。逆に、自分のビジネスのステージに合わないことをやっていると、いつまでも小さな結果しか得られないことになります。

もし、ご自身が「やらなきゃいけない仕事に追われて、毎日が忙しい」と感じているのであれば、それは、今取り組んでいることが“今の”ビジネスのステージに合っていない可能性が高いです。

是非、ビジネスのステージに応じたやるべきことがあることを知り、効率よく結果を出すための考え方を知ってください。そして、やるべきことに焦点を合わせた行動で、最短で得たい結果を得て頂ければと思います。

その考え方が、今回お話するビジネス・ビルディング・フォーミュラー(ビジネス構築の方程式)です。

ビジネス・ビルディング・フォーミュラーには、次の4つステージがあります。

  • ドリーマー
  • プロフェッショナル
  • マーケッター
  • マネージャー

そして、各ステージで直面する恐怖があります。この恐怖を克服できずにいると、目の前の行動に固執してしまい、その結果、いつまで経っても得たい成果が得られないことになります。

まずは、この恐怖を克服することが大切です。そして、正しい行動を起こすことにより、ビジネスを次のステージへ移行させることができるようになります。

では、以下で詳しく見ていきましょう。

ドリーマー

ドリーマーとは、その名の通り「夢見る人」です。自分の好みばかりを考えて、色々と可能性を考えている段階です。ひと言で表現すると、妄想を楽しんでいる状態です。

「あれもしたい。これもしたい。」
「あっ、でも、こんなこともできるのでは?」
「あのビジネスは儲かるのでは?いや、最近はあっちの方がいいかも。」

個人であれば、起業時のゼロからビジネスを起こす時を指します。また、会社であれば、既存事業とは別の新規事業を立ち上げる時に相当します。

ドリーマーの克服すべき恐怖とその後の対応

このステージでは、絞ると他のことができないという「可能性を捨てる」恐怖を抱いています。次のステージに登るためには、この恐怖を克服することが必要です。

すなわち、ドリーマーのステージから次のステージに駆け上がるためには、「捨てて、集中する」ことが必要です

「捨てて、集中する」際の注意点

個人起業家としての「捨てて、集中する」際の注意点もありますが、今回は会社として新規事業立ち上げを検討する時の「捨てて、集中する」際の最も大切な注意点について説明します。

それは「既存事業が儲かっていないから、儲かりそうな他の事業を手掛ける」という考えは、極めて危険だということです。

特に、既存事業が儲かっていない原因が、景気や人口減少などの外部環境にあると考えている場合は特に注意が必要です。そのように考えている方のビジネスが上手く行っていない原因は、ビジネスのやり方に問題がある可能性が高いのです。

そのような状態で新たな事業を立ち上げても、同じように考えて参入する競合も多いはずです。初めは利益が出るでしょうが、2、3年後には利益が出なくなる可能性が高いです。

もし、あなたが既に会社を経営されていて、色々な新規事業を考え、新たな事業の展開を夢見ている「ドリーマー」である段階ならば、改めて考えて頂きたいことは、「新規事業への夢を“捨てて”、既存事業に“集中する”」ことです。

そして、既存事業に“集中する”方法を、このビジネス・ビルディング・フォーミュラーから整理して頂ければ幸いです。

プロフェッショナル

プロフェッショナルとは「専門家」です。「商品の質」を上げ続ける人です。商品に恋をしているため、商品を中心に物事を考える傾向にあります。そのような方の発する言葉が以下です。

「こんなによい商品なのに、何故、みんなは買ってくれないの?」
「一度、買ってさえくれたら、この商品の良さがきっとわかってもらえるのに!」
「この商品の良さが分かってくれる人にしか、買ってくれなくていい!」

自分の商品に恋しているため、商品を手に取って頂く方、みんなに喜んで頂きたい。このため、完璧な商品にするために、ひたすら商品の質を上げ続けます。

プロフェッショナルの克服すべき恐怖とその対応

買った人から批判をされたくないので、商品は買って欲しいけど、自分から売るのは怖い。極端な例では「売ることは悪いこと」とまで考えてしまいます。その結果、当然自分が思っているように売れずに、上記のような言葉が口から出てきます。

つまり、この段階では、こちらから売ることで「自分が恋している商品を悪く言われるのではないか」という恐怖を抱き、更に品質を磨いてしまいます。次のステージに登るためには、まずは、この恐怖を克服することが必要です。

そして、この恐怖を乗り越えて、やるべきことは「売る」ことです。よく言われているのが「8割の時間を『販売』に使え!」です。商品が売れているのは、品質が良いから売れているのではなく、売っているから売れているのです。

プロフェッショナルのステージから次のステージに駆け上がるためには「品質は上げ続けずに、まずは売る」ことが必要です。

「売る」際の注意点

ひと昔前の商品の数が限られていた時代には、商品の質を上げるだけで売れていました。言い換えると、商品の質を上げることで、お客さまから選ばれることができました。

しかし、現在は、商品の質を上げるだけでは、お客さまから選ばれることはできません。お客さまが商品を選ぶ基準は多様化しており、必ずしも商品の質だけで選びません。当然、低価格だからといって簡単には買ってくれません。

では、どのようにして「売る」のか?そのための大切な考えが「商品への恋からお客さまへの恋に変える」ことです。

商品に恋していると「この商品はこんなにスゴイです!」と商品をPRしてしまう傾向にあります。しかし、精神分析学者であるフロイトが「人間の行動原理は、痛みを避け快楽を得るためである」と提唱したように、お客さまは、商品を買いたいのではなく、自分の悩みの解消や、快楽を得るための手段として商品を購入するのです。

つまり、お客さまに恋するとは、お客さまが何を望んでいて、何を欲しているのかを知り、その欲求を満たすために「この商品はいかがですか?」と提案していく行動に変えるということです。

マーケッター

マーケッターとは、広くはマーケティング業務に従事している人を指します。プロフェッショナルの壁を越えられた方は、ある意味「売る」ことが得意で「売る」ことに自信を持っています。このため、難なく新規顧客の獲得ができます。

マーケッターの克服すべき恐怖とその対応

次のマネージャーのステージに登るために、マーケッターが取組むべきことは「他の人(社員)に仕事を任せる」ことです。マーケッターは自分が「売る」ことで確実に売上も上がるため、仕事を他の人に任せることができません。

つまり、社員に任せることで「一時的に売上が減る」恐怖を抱きます。しかし、マーケッターが次のステージに登るためには、この恐怖を乗り越えて「社員に仕事を任せる」ことが必要となってきます。

一次的な売上減は、長期的な成長のための投資と考え、次のステージに登るためには目の前の日常業務よりも大切な経営業務があることを理解して下さい。

「任せる」際の注意点

ひと昔前には「1:5の法則」と言われ、「既存客に再来店・再購買してもらうコスト」と比較して「新規顧客を獲得して来店・購入してもらうためのコスト」は約5倍と言われていました。しかし、年々新規顧客の獲得コストは上昇傾向にあり、5倍から更に拡大し20倍とも言われています。

このように、新規顧客を獲得するのには大きなコストがかかります。新規顧客の獲得も必要ですが、それよりも、大切にする必要があるのは既存顧客です。

その考えが、次の3Rです。すなわち、Relation(既存顧客との関係づくり)、Retention(既存顧客の維持・継続)、Referral(既存顧客からの紹介・口コミ)。この3つのRを意識することが大切です。

マネージャー

マネージャー(manager)とは、本来「manage=困難なことを何とかする」+「er=人」です。

しかし、日本では、managerは「管理職」と訳されるように、多くの会社では、マネージャー(管理職)の仕事は、部下の業務の管理(監視)役だと誤解されている方が多いように思います。

本来のマネージャー(経営者を含めた管理職)は、部下がビジネスの最前線で業務を遂行できるように「業務のジャマをしない」「業務の妨げとなるジャマを取り除く」ことが仕事です。

マネージャーの克服すべき恐怖とその対応

このマネージャーのステージでは、会社の裏方として組織や社員を仕組みで動かす発想が必要となります。

この仕組みを作り上げるためには、投資が必要となってきます。しかし、投資は先に費用が掛かってくる上、必ずしも成功することが保証されていません。つまり、リスク、損失の可能性があることを理解した上で投資する必要があります。

マーケッターは自分が動くことが売上に直結するため、失敗する可能性がある投資という判断ができません。マネージャーとして成功するならば、この投資への恐怖を克服し、投資していく必要があります

「投資する」際の注意点

投資する際の注意点は、費用の回収が早い順に投資する必要があります。それが次の3Sです。すなわち、Sales(広告宣伝)、Staff(人材)、System(システム)です。

広告宣伝

広告宣伝は、回収が最も早い投資先となります。当然、広告が不発に終わり投資が回収することができない可能性もあります。成功すれば売上を拡大させることができます。

人材

人材は「企業は人なり」という言葉があるように、会社の成長には社内の人材が重要な要素を占めます。ここでの投資は、人材育成や人材雇用の両方です。

社内研修などによる人材育成も必要ですが、時には自社に足りない人材は、新たに雇用する必要もあります。

ただし、人件費は固定費となるため、アルバイトから始める。外注(業務委託)を使うなど、様々な方法があります(人件費は固定費ではない、との指摘もありますが、法的会計の考えとして捉えて下さい)。

システム

システムは、マーケティングの販売管理システムや人事制度も含めています。最終的に、仕組み化、組織化、マニュアル化を視野に入れて業務設計していく必要があります。

なお、自分はビジネスの最前線で業務に関わりたいという方もいます。社員の方であれば、マーケッターとしてビジネスの最前線に残ってもらうことも可能ですが、ご自身が経営者であれば、マネージャーとして仕組みを作る立場も必要です。

もし、ご自身がマーケッターとしてビジネスの最前線に立ちたいというならば、マネージャーと兼任という形でも結構です。

しかしながら、少なくとも、社内でマネージャー役は立てる必要があります。社員を登用するか、外部から雇うか、の二者択一です。

いずれにせよ、会社が組織として活動するためにも社内にマネージャーは必須です。

 

まとめ

ビジネスには、ステージがあります。各ステージの特徴を理解することで、克服すべき恐怖(課題)とその対策が明確になります。すると、その対策を実行するために必要な情報が明確になり、迷いなく突き進めることができます。その結果、ビジネスの各ステージを最短で登っていけるようになります。

最後に、ビジネス・ビルディング・フォーミュラーの各ステージと克服すべき恐怖、並びにその対策について整理します。

ステージ 克服すべき恐怖 対策 ポイント
ドリーマー 可能性を捨てる 集中する 既存事業への集中・見直し
プロフェッショナル 商品の品質向上 商品を売る お客さまに恋をする
マーケッター 自分しか売れない 他の人に任せる 既存顧客に目を向ける
マネージャー 投資の失敗 3Sに投資する 仕組み化・組織化・マニュアル化

いかがでしたでしょうか?一度、ご自身の行動を振り返って頂き、ビジネスのステージと照らし合わせてみてください。

もし、「あっ!」と思うことができたら、半分は課題が解決しています。残りの半分は、実際に行動に移していくのみです。

さぁ。次のステージに最短距離で駆け上がって下さい。成功をお祈りしています!

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